ぜん

ぜん
I
ぜん【全】
※一※ (名)
(1)すべてであること。

「源氏物語~」

(2)本の冊数や巻数を表す語に先立って用いて, 「すべてで」の意を表す。

「~三冊」「~三巻」

※二※ (接頭)
名詞に付いて, 「すべての」「全部の」の意を表す。

「~国民」「~世界」「~責任」「~チーム」

~か無(ム)かの法則(ホウソク)
II
ぜん【前】
※一※ (名)
(1)ある時より先。 まえ。 以前。

「~の会社では」「吾輩の爪は~申す通り皆後ろ向きであるから/吾輩は猫である(漱石)」

(2)(ア)官職・地位を表す名詞の上に付いて, 「すぐまえの」「ひとつまえの」の意を表す。

「~総理大臣」「~議員」(イ)時代を表す名詞の上に付いて, それより先立つことを表す。 「~近代」(ウ)名詞の下に付いて, それ以前である意を表す。 「紀元~」「使用~」「第一次大戦~」

※二※ (接尾)
助数詞。
(1)机・脇息(キヨウソク)・懸盤(カケバン)などを数えるのに用いる。

「二~の膳(ソナエ)を供せんとす/今昔 13」

(2)神や社殿を数えるのに用いる。

「摂社・末社すべて三十余~/滑稽本・膝栗毛 8」

III
ぜん【善】
(1)よいこと。 道理にかなったこと。 また, そのようなおこない。
(2)〔哲・倫〕 一定の使用・行為・道徳・秩序などにおいて, 人や物の性質(価値)がよいこと, 望ましくすぐれていること。 また, それらをよくあらしめる根拠。 真・美とならぶ基本的価値の一。 倫理学の対象とされ, 人間のあらゆる営みが目指すところ, あるいは営みを律する義務の源泉とされる。
~に従うこと流るるが如(ゴト)し
〔左氏伝(成公八年)〕
善と見て, ためらいなくこれに従うさまがあたかも水が流れるように速やかであること。
~に強い者は悪にも強い
善に専心する者がいったん悪の道に陥った場合は, 悪にも専心する。
~の裏は悪
よいことがあれば, それに伴って必ず悪いこともあるということ。
~は急げ
よいことは機会を逃さず急いでせよ。
~を責(セ)むるは朋友(ホウユウ)の道なり
〔孟子(離婁下)〕
善を行うように強くすすめるのは友としての道である。
IV
ぜん【漸】
物事が徐々に進むこと。

「且つ聴き且つ記し~にして積りて巻を成す/経国美談(竜渓)」

V
ぜん【然】
名詞に付いて, いかにもそのようなさまの意を表す。

「学者~としている」

VI
ぜん【禅】
(1)〔仏〕
〔梵 dhyāna〕
古くからインドで行われる修行方法で, 精神を一つの対象に集中し, その真の姿を知ろうとすること。 静慮(ジヨウリヨ)。 禅定(ゼンジヨウ)。
(2)「禅宗」の略。
(3)禅宗の教義や修行方法の全般のこと。
(4)「座禅」の略。
VII
ぜん【膳】
※一※ (名)
(1)食器や食べ物を載せる台。 特に一人前の食事を載せた台をいう。 おぜん。

「~にのせて運ぶ」

(2)食事。 料理。 膳部。
※二※ (接尾)
助数詞。
(1)椀(ワン)に盛ったもの(特にご飯)を数えるのに用いる。

「ご飯を二~食べる」

(2)一対の箸(ハシ)を数えるのに用いる。

「箸を一~下さい」

~に上(ノボ)・る
料理として食膳に出る。

Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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